Claude CodeでAmazon広告を動かす。接続方法と、つまずきやすいところ

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Claude CodeからAmazon広告を動かすイメージ。Claude Code→MCP→Amazon Ads APIの接続の流れと、広告費・売上・ACOSを表示する広告ダッシュボード、データ取得・異常検知・入稿代行の機能が示されている。

Amazon広告も、Claude Code に言葉で指示して動かせます。ただ、Google広告やMeta広告と同じつもりで接続すると、途中で必ず引っかかります。Amazonの広告は商品と在庫に紐づいていて、そこがAPIの外側にあるからです。この記事では、Claude Code から Amazon広告を動かす仕組みと、実際につまずきやすいところを順番に見ていきます。

全体像はClaude Codeで広告運用は自動化できるのかにまとめています。検索広告側はClaude CodeでGoogle広告を動かすとClaude CodeでYahoo!広告を動かす、SNS側はClaude CodeでMeta広告を動かすで扱っています。

MCPを介してAmazon広告に接続する

Claude Code は、それ単体では Amazon広告のデータを持っていません。あいだに MCP(Model Context Protocol)を挟んで、Amazon Ads API とやり取りします。ここまでは他の媒体と同じ構図です。

Amazon広告の場合、ひとつ事情が違います。Amazon自身が公式のMCPサーバーを出しているため、非公式の実装を探す必要がありません。運用ツール側はその公式MCPを橋渡しする形で組み込みます。私たちの mureo も、Amazon広告については自前でAPIを叩き直すのではなく、公式MCPをブリッジして使っています。仕様変更に追随する手間が減るぶん、接続の安定性は他の媒体より高めです。

接続するまでのハードル

Login with Amazon の認証情報。Amazon Ads API を使うには、開発者として登録して、クライアントIDとクライアントシークレット、そしてリフレッシュトークンを取る必要があります。Google広告の開発者トークンにあたる部分で、ここでの申請が最初の関門になります。

プロファイルIDを先に取る。Amazon Ads API は、アカウントIDではなくプロファイルIDで対象を指定します。プロファイルは「どの国のマーケットプレイスの、どの広告主か」を表す単位で、日本と米国で商品を売っていれば別のプロファイルになります。接続したあと最初にやるのは、使えるプロファイルの一覧を取って、扱いたいものを特定する作業です。ここを飛ばすと、以降のすべての問い合わせが通りません。

リージョンごとにエンドポイントが分かれる。北米、欧州、極東で接続先が違います。日本のアカウントは極東のエンドポイントです。ここを間違えると認証は通るのにデータが空で返ってきて、原因が分かりにくい詰まり方をします。

Google広告との一番の違い

Amazon広告では、配信が止まる原因の多くが広告の外側にあります。

Google広告なら、広告が止まるのは予算切れか、審査落ちか、入札が届かないかのどれかです。原因はすべて広告アカウントの中にあります。Amazonの場合はそこに在庫が加わります。商品が在庫切れになれば広告は出なくなり、カートボックス(Buy Box)を他の出品者に取られても出なくなります。どちらも広告の設定は何も変わっていません。

もうひとつ、成果の見え方も違います。Amazonでは購入までがAmazonの中で完結するので、コンバージョンの計測をこちらで用意する必要がありません。そのかわり、主に見る指標が ACOS(広告費売上比率)になります。広告経由の売上に対して広告費が何パーセントかを示す数字で、Googleでいう ROAS の逆数にあたります。ACOS 25% なら、広告経由の売上の4分の1を広告費に使っている状態です。

接続すると、Amazon広告で何ができるのか

数字の取得と集計。キャンペーン、広告グループ、キーワード、商品ごとの広告費、売上、ACOS を言葉で聞けます。「先週ACOSが悪化した商品を、悪化幅の大きい順に出して」といった聞き方ができるようになります。

検索語句の点検。スポンサープロダクトには検索語句のレポートがあり、意図と違う語句にお金が流れていないかを確認できます。除外キーワードの追加まで一度に頼めます。

入札と予算の調整。キーワードの入札、キャンペーンの日予算を変更できます。

Amazon Marketing Cloud の照会。より深い分析をする場合、AMC にSQLに近い形の問い合わせを投げられます。ただしこれは即座に返るものではなく、ワークフローを作って実行し、完了を待ってから結果を取りに行く流れになります。

Amazon広告でつまずきやすいところ

広告が配信されているかどうかが、APIから分からない。これがいちばん厄介です。Amazon Ads API が広告について返す状態は、有効か停止か保管済みかの一つだけで、これは設定値です。Google広告やMeta広告なら、設定上は有効でも実際は配信されていない状態を別のフィールドで教えてくれますが、Amazonにはそれがありません。在庫切れで出ていなくても、状態は有効のままです。したがって、本当に配信されているかは消化額と表示回数から推し量るしかありません。AIに監視を任せる場合、ここは明示的に指示しておく必要があります。

広告種別ごとに問い合わせが分かれる。スポンサープロダクト、スポンサーブランド、スポンサーディスプレイ、スポンサーTV、Amazon DSP は、それぞれ別に取りに行く必要があります。一度の問い合わせで全種別を横断できません。アカウント全体を見渡したいときは種別の数だけ問い合わせが要る、と覚えておくと予定が立てやすくなります。

レポートが非同期で返る。レポートは依頼した瞬間には返ってきません。生成を依頼し、できあがるのを待ち、ダウンロード用のURLから取得する三段構えです。数分かかることもあります。「今すぐ全部出して」と頼んで待たされるのは、遅いのではなく仕様です。

ACOSの読み違い。ACOSは低いほど効率がよい数字ですが、低ければよいわけではありません。極端に低いACOSは、広告を絞りすぎて売上を取り逃している状態でもあります。目標のACOSは商品の利益率から決めるもので、他の商品と横並びで比べる数字ではありません。

在庫と広告を別々に見てしまう。ACOSが悪化したとき、原因が入札やキーワードではなく、在庫を切らして販売機会を落としていたという場合があります。広告の数字だけを見ていると、この種の原因には永久にたどり着けません。

まとめ

Claude Code から Amazon広告を動かす仕組みは、他の媒体と同じくMCPを介したAPIの操作です。Amazonは公式のMCPを出しているぶん、接続そのものは安定しています。

引っかかるのは接続のあとです。プロファイルIDとリージョンを先に押さえること。配信されているかどうかはAPIが教えてくれないので、消化額と表示回数から判断する必要があること。レポートは非同期で返ること。そして、数字が動いた原因が在庫という広告の外側にあることが珍しくないこと。この四つを分かったうえで任せると、実務で使える形になります。

任せる範囲をどう設計するかはClaude Codeに広告運用を任せて大丈夫かに整理しました。

Amazon広告を自社で持つかどうかを決める段になったら、手数料と社内工数を金額で比べた一覧が広告運用のインハウス化にあります。

私たちが開発している mureo は、Amazon広告を含む複数の媒体をAIが日々運用し、何にいくら使いなぜそう判断したかを画面で見せる運用ツールです。予算や入札に触れる変更には人の承認を挟み、操作は元に戻せます。